あなたは旅行をしようとしたとき、宿泊先を選ぶにあたってどこのサイトに訪れますか?
「じゃらん」「楽天トラベル」といった大手宿泊サイトでしょうか?
本ブログで紹介するのは、そういった大手ではなく最近会員数急上昇中の宿泊サイト「relux」。
高級旅館や高級ホテルを中心に宿泊先を紹介していて、日々複数のSNSプラットフォームで泊まりたくなるようなコンテンツを展開しています。
そして驚くべきことに、この宿泊サイトは20代を中心としたデジタルネイティヴ集団が運用しています。今回そのうちの1人である前本さんにお話を伺う機会がありました。
あなたの会社や団体には資産はありますか
ここからマーケティング戦略のお話をします。
従来のWebマーケティングの手法であると、CPA型のマーケティング費、つまり費用対効果を中心としたWebマーケティングが主流でした。たとえば、宿泊者の予約を獲得するのにCPAが500円だから、40万円を使えば800人は予約者を獲得できるといった考え方です。
しかし、ここ4、5数年でソーシャルメディアが圧倒的に世の中に普及しました。結果、ソーシャルメディアは「エンゲージメント」という生活者と繋がり続けるといったメリットをもたらしました。
そして、常に企業側や団体側からアプローチできる顧客が圧倒的に増加し、繋がってくれた生活者を資産の一つとして考えられることができるようになったのです。(生活者を資産と呼ぶことに抵抗はありますが、便宜上お許しください)
そして、その時代の中で、reluxはSNSを活用した投資対効果のマーケティング戦略を編み出しました。
簡単に説明すると、複数のSNSを組み合わせることでカスタマープラットフォームを形成。サイトの非会員、会員、比較検討者、予約者すべてのフェーズの人たちとのコミュニケーションが可能になる状況を作り出しました。
reluxのスタッフはこれらの総称を「カスタマープラットフォーム」と呼んでおり、ネット上でカスタマープールを形成することでそこに生活者が資産として蓄積され、強烈な資産になります。
ちなみに、現在reluxの会員数は30万人ですが、すでに約100万人の生活者が資産化されている状態になっているとのことです。
そして、上記の戦略のもと、各プラットフォームに適したターゲットを選定し、ターゲットに利用シーンや興味関心に合わせたストーリーをもとにコンテンツを展開。
さらに、日々の投稿でどういったコンテンツが刺さるのか刺さらないのかを効果測定し、改善をされているそうです。
そしておどろくことに、Facebook、Twitter、LINE、Instagram、Pinterest 、Google+、YouTube、さらには中国のSNS WeiboとWeChat含めてすべてのSNSを3人のスタッフが運用していること。
relux社長の篠塚 孝哉さんのブログでもreluxの戦略についてお話されているのですが、やはり価値算出が難しく、短期的に見てしまうと損失しか見えないそうです。
だからこそ、大手大企業ほど予算取りをするのが難しくはありますが、意思を持ったリーダーを中心としたチームがあるからこそ実現した事例だと感じます。
末恐ろしさを感じるとともに、デジタルセンスに優れた20代を中心としたチームに新しい可能性を感じられずにはいません。
「オリンピックが終わっても、日本に宿泊するならreluxだよねと言ってもらえるようにしたい」
インバウンドの風が吹く中、オリンピックに左右されない軸のあるreluxにはオリンピック以降の未来が見えているのかもしれません。
大崎龍史(オオサキリューシ)
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最後に、今回のお話は主に私自身が参加したセミナーでのrelux前本さんのお話をもとに私なりの解釈を経てまとめています。また、同セミナーに登壇された弊社コミュニケーションデザイナーの高野修平先輩にこのような機会を頂けたことをここで御礼申し上げます。