東京ブランド論:東京を拡張する水辺周りの取り組み

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2020年に、東京オリンピックが開かれます。

しかし、期待感とは裏腹に、間に合わない工期と莫大な費用という問題を抱え、見直しになった「新国立競技場」。観光客の見所である築地場内の「豊洲移転問題」。オリンピック終了後に待ち構える「人口減少問題」。

だからこそ、改めて日本の玄関口である東京の持つ魅力を捉え直す必要があります。本記事では、かつて水の都と言われた江戸に注目し、江戸がどういった都市開発をされたのでしょうか?

また、水辺周りの活用に成功しているヨーロッパの事例を踏まえながらも、東京で始まっている水辺周りの新しい取り組みをご紹介したいと思います。

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徳川幕府がつくった水の都「江戸」

江戸という地名は何の由来かご存知でしょうか?実は江戸という場所が、「入り江の入口(戸)」であったことから江戸とよばれるようになりました。徳川家康が入府して江戸の都市開発を始める前は、江戸城間際まで入江が食い込んでおり、沼地や湿地が広がる地域だったといわれています。

中国をはじめとする東洋では王都をつくるときに、風水を取り入れて「四神相応」の土地を選ぶそうです。京都という土地もそれに当てはまります。江戸開府の際、徳川家康もこの四神相応を意識しました。

江戸の場合、「東に青龍が宿る川(隅田川)」、「南に朱雀が海や平地などの肥沃の地(江戸湊、現東京湾)」、「西に白虎が宿る大道(東海道)」、「北に玄武が宿る山(神田山)」という条件にのっとり、都市開発が行われました。

四神相応の中の一つである隅田川は、東京の大動脈として物質の運送が盛んで江戸の経済発展に大きく貢献し、浅草や両国などが観光地として賑わうなど、隅田川を中心として東京の河川や運河は人々で賑わっていました。その結果、河川や運河を中心とした、「水の都=江戸」という都市としてのイメージが作られていきました。

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しかし、時代が変わります。戦後に都市が産業化をしていく中、河川の水質悪化や、地盤沈下が進行した地域が増加。また、高潮や洪水や地震による津波から人々を守るために防波堤や水門などの整備を進めたために、人々が水辺から遠ざかる環境をつくってしまいました。

わかりやすい例で、日本のまちとヨーロッパのまちの河川に対する姿勢を挙げてみます。日本のまちは明治以降、上記の理由から川に背を向けるように町並みが作られてしまいました。一方、ヨーロッパに訪れた際、フランスのパリやオランダのアムステルダムでは、川を中心にまちづくりが行われたため、川周辺にオープンテラスや街並みが形成され、新しい都市空間の創出に成功しています。

まちを河川まで拡張する

もう少お話すると、フランスの首都パリはセーヌ川の河畔から発展してきた都市であり、河川は古くから水上交通路として利用されています。そして、川の両岸には歴史的建造物が並び、街並みと調和した舟運、観光がごく自然な状態で組み込まれています。

夕日に溶け込む歴史的建築物とセーヌ川の調和による美しさが、そのまちの豊かさを物語っているといっても過言ではありません。

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一方、アムステルダムでは、環状運河等の運河沿いに文化拠点や商業施設等があり、船着場が多数設置されていることから、水上交通が発達し、観光資源となっています。また、アムステルダムに訪れた際、「ボートピープル」というボートハウスで生活をする人々の存在に驚かされました。

彼らは、現代の生活にとらわれない生き方を好み、陸地には家を持たず、ボートに乗り河川上で生活をしています。もちろん、彼らは特別な存在ではありますが、先進国においてそこまで生活と川が密着している地域は多くはありません。

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そこには、「川もまちの一部である」という江戸時代の日本人が持っていた感覚を私たちに思い出させてくれます。そう考えると、まちに広がりと多様性を見いだせることができます。

2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピック。市内を流れるテムズ川に、黒のスーツに身を包んだサッカー界のスターであるデービッド・ベッカム選手が聖火をのせた高速ボートに乗ってテムズ川を疾走。五輪スタジアム近くまで聖火を届け、ロンドンの象徴的な存在として世界の脚光を集めました。

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また、ロンドンにはビッグ・ベンやタワー・ブリッジを始めとする代表的な観光スポットが沿川に存在するため、水上バスやリバー・クルーズ、水辺のカフェ等が充実していることからも、オリンピック・パラリンピックに訪れた旅行客にテムズ川を中心としたロンドンの魅力を伝えています。

一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、東京のベイゾーンに選手村やプレスセンター、多くの競技会場が集中する計画となっています。そうなったとき、臨海部と内陸部をつなぐ魅力的な河川での観光体験を提供することが重要になってくるのではないでしょうか。

河川沿いを活用したマルシェやオープンカフェの活用

隅田川沿いにある隅田川テラスを会場の一部として「太陽のマルシェ」が定期開催されるなど、水辺周りの利用が始まっています。また、水辺周りに関する準則改正が成立し、隅田川、渋谷川、目黒川で、オープンカフェや広場、キッチンカー等による河川空間の利活用も進められています。

このように、少しずつですが人々の意識が河川に行き、新しい空間が作られ始めています。

他にも例えば、今までメトロで移動していたのが、時間があるなら水上ボートでちょっと移動しようかなと気軽に利用できる交通手段の一部になれば、水の都としての東京のイメージが情勢されて都市としての魅力が増していくのではないでしょうか?

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今日から5年後、2020年7月24日に東京オリンピックが開催されます。
人口減少、少子化、そんな言葉にネガティブ思考になるのではなく、このチャンスを活かすために未来を生み出す。
東京オリンピックがそんな契機になればと思います。

Introduction:大崎龍史(大崎リューシ)
Facebook:Ryushi Rocky Osaki
Twitter:Ryushi_to_2022

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