黒船バイラルメディア「BuzzFeed」が狙うべき「地域×エンタメ」の領域

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ついにBuzzFeed上陸

バイラルメディアの黒船である「バズフィード」。ついに日本に上陸しましたね。さっそくネット上では、失敗するのなんだのって批判するコメントもありますね。

その中でも東洋経済の記事では、「沖縄を含め、日本全国に記者を配置していくこと」も発表し話題になっています。ちなみに、その理由を創刊編集長を務める古田氏が述べていて簡単にまとめると、

「沖縄には世界中の多くの人が関心を持つ話題があるにもかかわらず、実は沖縄発のニュースは日本国内ですらあまり読まれていないこと」

「読者自身のバックグラウンドを楽しんでもらえるコンテンツを作っていければと考えていて、僕は福岡出身ですが、たとえば『福岡県人だけが分かる15のこと』という記事は、その県に住んでいる人や出身者にすごく読まれるといった出身地のネタは自分ゴトしてもらいやすい」

という2点に集約されるかなと思います。言い換えると、地域ゴトをより取り上げ、世の中の人たち、またはその地域に何らかの関わりがある人たちが求めるコンテンツを作っていくということになるかと思います。

世の中ゴトを作る地域ネタとは?

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少し話を変えます。世の中は「SMAP」と「ベッキー」のゴシップネタで話題持ちきり。もううんざり。。。そう思いながら、この2週間くらいであなたは「SMAP」と「ベッキー」に関するニュース記事やテレビ番組を見ましたか?

多分、多い人はTwitter上での「キムタクのタイムスリップ説」やYouTubeでの「SMAP記者会見」など含めると10回以上は、関連ニュースに触れているのではないでしょうか。
その一方で、その2週間で世界中ではイスラム教徒による自爆テロにより、何百人もの死人が出ています。それに、安倍総理なんてこっそり年金運用損失21兆円って公表しちゃってます。

真に知っておくべき情報は、もしかするとこの世界で起こっている異常事態であるべきなのに、エンタメ情報には勝てません。圧倒的に、SMAPやベッキーといったエンタメ情報の方が読んでいて楽しいんです。もうどうしようもないですね。

日本社会の「情報操作問題」に踏み込んでくれるのは素晴らしいことだと思います。さらに、ABテストによる記事の最適化を行い、バズフィードらしい社会問題にも視点を当てていく先進的な取り組みを日本でも展開してくれるとのことです。

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ACT HOUSE CLUB ニュース&コラムより抜粋

しかし、ここで注意が必要です。沖縄の政治問題や地域の問題といった内容は、実は語っ苦しく書いても読んでもらえません。そうです、結局沖縄の基地問題といった地域ゴトは、結局エンタメには勝てません。

僕のブログだってそうです。圧倒的に読んでいる読者層は限られています。だからこそ、多くの人に興味をもってもらうためには、その地域ゴトにエンタメの要素を掛け合わせて、徐々に真に伝えるべき情報、いわゆるジャーナリズムの領域に入っていく必要があります。

そして、アメリカのBuzzFeedも当初はエンタメ系コンテンツを大量につくり、読者層を付けてからそういったジャーナリズムの領域に踏み込んでいきました。

つまり、ここ日本でも地方に編集者を置く場合は、まずその地域をエンタメ化して興味を持ってもらうことで、地域ネタが一気に刺さるコンテンツに変貌する要素を持っています。

地域への「共感」と「驚き」が世の中ゴトを作る

地域の要素としてある「県民性」「ご当地」。そこには、地域への「共感」「驚き」という2種類の自分ゴト化のスイッチがあります。

実は、地域ゴトを私たちはあまり意識しません。けれども、あなたがその場所に立っている時点で、地球上またはこの日本のどこかで生まれた時点であなたはその地域とは切り離せない、自分ゴトをする要素を持っています。

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NHK連続ドラマ小説「あまちゃん」公式HPより

それぞれを説明すると、まず地域ゴトが持つ「共感」とは、いわゆる地域へのあるあるネタです。あまちゃんは、いわゆる岩手県民のあるあるだけでなく、「東京」と「地方」という多くの地方出身者が体験したことのある境遇を地域×エンタメとして描き、自分ゴト化をさせ、世の中ゴト化するムーブメントを形成しました。

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日本テレビ「月曜から夜更かし」より

また、マツコの「月曜から夜更かし」は、「埼玉県民vs東京都民」「滋賀県vs京都」といった県民性をエンタメの要素としてイジり倒すといった、県民性をエンタメ化することで世の中ゴトを作り出すことに成功しました。まさに、地域へのあるあるwという共感を最大化させた地域エンタメといえます。

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ORICON STYLEより抜粋

一方、ブラタモリはその地域独特の「坂」や「高低差」に注目し、まさに地域のマニアックな領域に足を踏み出しました。結果、タモリさんの効果もあり地域にある身近な資源である「坂」や「高低差」がエンタメになったのです。まさにそういったマニアックな領域こそ、実は世の中ごとになる地域要素の一つであるといえます。

そこには、地域ゴトが持つ2つめの要素である「地域への驚き」が関係しています。

例えば、想像してみてください。国内旅行をしているときは、「この地域は、魚料理が美味しいね」「あの県はお雑煮に餡餅を入れるだって!」といったいわゆる地域ゴトの文化や地形といった物事の違いに楽しさを感じます。

その違いは、その人が今住んでいる場所との比較であり、生まれ育った場所との比較です。私たちは自然と地域ゴトに触れるときに、自分の地域と比較をしています。そして、その違いを楽しんでいるのです。だからこそ、切り口次第で地域はエンタメ化することができます。

でも結局マツコとかタモリのおかげじゃない?と言いたくなるかもしれません。しかし、それは違います。あくまでそれをしゃべっているのは彼ら芸能人ですが、その裏側には番組スタッフによる圧倒的な地域に対するリサーチ力編集力があるのです。それが語り手のタモリさんやマツコにより面白さが増幅されるのです。

将来的に、そういった地域の問題も取り上げ世の中ゴト(世論)を作っていくメディアとして成長するためには、まずはそういった地域×エンタメの要素を高め、できるだけ多くのユーザーに地域ネタを楽しんでもらうことが必要なのではないでしょうか。

少子高齢化だの地方消滅だの結局興味がない人はスルーしてしまう時代です。地域情報を世の中ゴトとして伝えていくために、どういった戦略と戦術でBuzzFeedが躍進していくのか、今後が楽しみで仕方ありません。

最後までお読み頂きありがとうございました。

大崎龍史(オオサキリューシ)
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