富山県を舞台にした竹野内豊主演の映画「人生の約束」が描くIT業界と地方都市の関係性

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舞台は富山県射水市という漁師町

映画の舞台になったのは富山県射水市という漁師村である地域で、漁船が停泊する運河沿いには歴史を感じる町家造りの住居や商店が軒を連ねています。

そして、この地域にある新湊(しんみなと)という地区が今回映画の舞台となりました。

映画「人生の約束」のあらすじ

そして、この地域では放生津八幡宮というお祭りに合わせて、曳舟(山車)13本が街中を早朝から深夜まで巡行します。地元の大工が出がけた曳舟車には、その地域伝統の装飾や彫刻が隙間なくされています。現在は、富山県を代表する都市祭礼となっています。

映画のあらすじは、その曳舟を巡った地方地区で起こる問題です。その地区の中でも13個の小さな町があり、それぞれが曳舟車を1車ずつ持っているのですが、四十物町という町はその地区の中でも財政力がなく、隣の西町に奪われる形で曳舟車を手放してしまいます。

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なんとか曳舟車を他の町に奪われないように死守しようとしたのが、IT関連企業CEOの中原祐馬(竹野内豊)かつてともて起業しながらも会社を追い出す形で決別をしてしまった親友航平でした。しかし、親友である航平は病に冒され亡くなってしまいます。

そこで、友航平の願いであった曳山車をなんとか取り返そうとするのですが、会社の拡大にしか興味の無かったCEOの中原祐馬(竹野内豊)はそこで起こっていることはまさに、自分が東京でやっていた会社の買収される側の立場と同じことだと気付かされます。

その先に、友との約束、祭りという日本人古来の文化、今の日本の縮図が描かれている中々渋めの映画となっています。続きは、ぜひ映画館にてどうぞ。

IT業界と地方都市の関係性

さて、IT業界と地方都市の関係性についてなのですが、映画からの一つのメッセージは、「これから体力(財力)のない会社または地方都市は淘汰されていく。」ということです。

そして、映画の中で「あなたのコンピューターで米が作れますか?」と漁師町の地区会長がIT企業のCEO中原祐馬(竹野内豊)に問いかけます。

これは自分自身も普段デジタルマーケティング支援を業務としてやっている中でハッとさせられたことで、自分で生きていくための食べ物を自分ではつくることはできません。

そんな話をすると、「あ~でたローカルとかオーガニックとか言っているやつの考え方だな」と東京に染まった人は言うかもしれません。でも、漁師や農家という一次産業者がいなければ、私たちは生きていけないのです。それは当たり前すぎて私たちは気づいていません。

そして、ただ美味しい美味しくないだけで判断しているのです。もちろん、美味しい美味しくないは重要です。けれども、私たちはそういう人たちがいるからこそ、今大都市で働けていることも絶対に忘れてはいけないことだと思います。

産業構造の改革と第一次産業をプロデュースする人材の必要性

産業構造

産業構造において、農家さんや漁師さんは第一次産業にあたります。けれども、その間に第二産業が入り、第三次産業が入り、その第二次第三次の中でも多くの関係各社が関わることで生活者のもとに食べ物が届くまでに時間がかかるとともに大量のいわゆる中間手数料が発生してしまうのです。

第一次産業は生きていく(食べていく)ために必要なのにも関わらず、その重要性に気づいていないのはおかしな話です。だからこそ、第一次産業の第三次産業化をすることで、より農家や漁師は直接生活者と接することができ、TPP問題で食の安全が叫ばれる中、私たちが食べていくためには農家と手を取り合って生きていくすべを見つけていく必要があると思います。

そういう意味で、第三次産業にいるIT業界や広告業界の人たちは、Webマーケティングやブランディングという観点からもっと、第一次産業者の第三次産業者化に貢献する余地は多く残されているのではないでしょうか。

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画像出典:東北食べる通信ウェブサイトよりスクリーンショット

そういう意味で、まさに昨年グッドデザイン賞を受賞した東北食べる通信は一次産業者である農家や漁師を第三次産業者にするために仕組みをデザインしている素晴らしい取り組みだと思います。まさに、「農家をプロデュースする」取り組みです。

私も学生時代に恐縮ながら四国食べる通信の立ち上げメンバーとして関わらせて頂いた際に、新たな萌芽を感じました。

 

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(c)2016「人生の約束」製作委員会より

そんなまあ、いろいろ考えさせてくれる映画となっています。ぜひ映画館で見てみてください!

最後までお読み頂きありがとうございました!

大崎龍史(オオサキリューシ)
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