人口減少が続く昨今、富山市は市民一人一人が富山市に対して愛着や誇りを抱く「シビックプライド」を醸成することが必要だと考え、そのためのキャンペーンを5月展開しました。キャンペーンフレーズは「AMAZING TOYAMA(アメイジング トヤマ)」。今後、市民の方々と連携しながら取り組みを展開していくようです。日常の生活の中にこそ、「AMAZING(驚きや発見)」が存在し、市民の皆さんが当たり前だと感じていたものを、あらためて驚きのある新鮮なものとして感じられるためのキャンペーンキーワードと定めています。
5月19日から6月末までを集中PR期間としてまちのいたるところに以下のようなコミュニケーションポイントを設置しています。
(1)モニュメントの設置(城址公園南西広場) (2)市内電車環状線セントラムのラッピング運行
(3)ストリートバナーフラッグの設置(全164箇所に164色のフラッグ)
(4)デパート(大和富山店)壁面に大型バナーフラッグを掲出
(5)ポスターの掲出(21箇所の風景等)
(6)市職員の名札にロゴを表示 など
今後は「AMAZING TOYAMA」の写真の募集を行うなど、市民の人たちを巻き込んだキャンペーンを展開します。
市民のシビックプライドが醸成されるトラム
今回の富山市の取り組みは、アムステルダムが行った「I amsterdam」のキャンペーンを参考にしたキャンペーンだとお気づきになった人は多いのではないでしょうか。そういう方は、ただ「I amsterdam」や「I LOVE NY」のようなオブジェをまち中に置いているだけだと思うかもしれません。しかし、「I amsterdam」とはまた違った、かつ非常に参考になる市民とまちとのコミュニケーションポイントを作っています。それは、富山市内を走るトラム「セントラム」を活用したコミュニケーション施策です。
このコミュニケーション施策はヨーロッパのまちづくりにも参考になります。ヨーロッパはまちにおいてトラムが日本以上に発展しています。ただのラッピング車両ではなく、自分の地域のいいところはなんだろうか、素敵なところはなんだろうかと自分の地域について考えるきっかけを車窓を通して作りだし、それがシビックプライドの醸成につながっています。まさに、「市民の方が当たり前だと感じていたものを、あらためて驚きのある新鮮なものとして感じられる」というコンセプトに沿った施策といえます。アムステルダムとは違った条件の中で、こだわりのある施策を打ち出している「AMAZING TOYAMA」、実際に市民の人たちの気持ちがどう変化するのか、結果が楽しみで仕方ありません。
大崎龍史(オオサキリューシ)
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